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パッシブハウスってなに?!

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こんにちは。アティックワークスの北川です。

高気密高断熱と調べていくと辿り着くのがパッシブハウス。

そんなドイツで生まれた超省エネで、超高性能なパッシブハウスとは何なのか?

また、一般の高気密高断熱とパッシブハウスは何が違うのか?

現在パッシブハウス認定取得に向けて突っ走る北川が、

パッシブハウスについてまとめてみました。

 

 

パッシブハウスって何?

パッシブハウスとは、1991年にドイツのダルムシュタットのクラニヒシュタインにて

初めて建てられた超省エネ住宅です。パッシブハウスは国の基準ではなく、

民間の省エネ基準です。

 

そして、パッシブハウス性能の条件を満たし、パッシブハウスの認定機関から認定を受け、

パッシブハウスとなります。

 

パッシブハウスは、しっかりとした断熱空気の漏れをなくす施工、熱橋を無くすこと、

良い性能の窓の採用、窓の向きと日射遮蔽の計画、熱交換換気の採用などを

緻密に計画・施工されて建てられています。

出典:PHI(パッシブハウス研究所)

 

パッシブハウスは、冷暖房がほとんどいらなくなり、地球にもやさしい。

そして、健康で快適な暮らしと地域の気候に左右されない優れたエネルギー効率を

実現しているそんな住宅です。

 

また、パッシブハウスはブランド名ではありませんので

誰もがどこでも建築する事ができます。

 

パッシブハウス研究所(PHI)の厳格な認証基準に基づき、33,000戸以上が認証され、

総床面積は300万m2 TFA(2022年1月末現在)に達しています。

 

 

パッシブハウス研究所(PHI)

パッシブハウス研究所(Passive House Institute ※略称PHI)は、

1996年にヴォルフガング・ファイスト博士によって設立された独立した研究所で、

ドイツのダルムシュタットにあります。

出典:PHI

 

パッシブハウス研究所(PHI)は、エネルギー効率の高い建築部材などの研究開発をおこなったり、

建築部材の認証、パッシブハウスのビル、工場、学校などのコンサルタントもおこなっています。

他にも建物シュミレーションやエネルギーバランスの決定、

パッシブハウスの計画のためのソフトを開発、および改善しています。

 

パッシブハウス研究所(PHI)以外にもパッシブハウス関連の団体はたくさんあります。

 

パッシブハウス研究所(PHI)は、国際パッシブハウス協会(iPHA)、IGパッシブハウス、

パッシブハウス・オーストリアも設立しています。

 

そして、100以上のパートナー組織があります。

 

 

国際パッシブハウス協会(iPHA)

出典:iPHA

国際パッシブハウス協会(iPHA)は、建築家や科学者、メーカー、

建設業者などパッシブハウスに関係する人のネットワークです。

パッシブハウスの普及とその重要性に対する人々への理解を促進するために活動している団体。

 

iPHAでは、パッシブハウスオーナーの体験談を知る事や最新の

パッシブハウスニュースを知ることが出来たりします。

 

また、パッシブハウスに関する専門的な知識を集めたパッシペディアなどを通じて、

豊富なパッシブハウスに関する知識を提供します。

出典:Passipedia

iPHAには、5000人以上の会員 22の関連団体。50カ国以上が加盟しています。

日本のパッシブハウス・ジャパンも2023年にiPHAのメンバーになりました。

 

 

パッシブハウス・ジャパン(PHJ)

日本では2010年に一般社団法人パッシブハウス・ジャパンが設立しました。

キーアーキテクツ㈱の森みわ氏を代表理事に活動が進められています。

2009年には日本初の鎌倉パッシブハウスが誕生しました。

それ以降日本においてもパッシブハウスが建てられ始め、

50棟前後(2022年1月末現在)に達しています。

現在もパッシブハウスは日本全国中にどんどん増えていっています。

 

 

その他

出典:PHCA

 

Passive House Hungary

Plataforma de Edificación Passivhaus(PEP)

ZEPHIR

Passive House California(PHCA)

Passivhaus Trust

PASSIVE HOUSE ASSOCIATION OF IRELAND

Passive House Institute NZ

North American Passive House Network(naphn)

PASSIVEHOUSE CANADA

Passiivivitalohydistys Ry

Portugal Passivehaus

SEPEV

Passief Bouwen

AUSTRALIAN PASSIVE HOUSE ASSOCIATION

Hellenic Passive House Institute

Passive House Institute Japan

Passive House Institute China

Passive House Institute Korea

Passive House Institute US

など海外にはたくさんのパッシブハウス関連の団体があります。

ドイツだけがパッシブハウスを建てている訳ではないという事ですね。

 

 

パッシブハウスの基準

パッシブハウスとみなすにはいくつかの基準をクリアしなければなりません。

 

年間暖房需要(kWh/㎡a) 【Annual heating】

年間の生活空間または有効面積(TFA)1平方メートルあたりが15kWh以下です。

また、有効暖房需要に対する代替基準として、

ピーク暖房負荷【Heating load】10W/㎡以下でも良い。

 

年間冷房需要・除湿需要(kWh/㎡a)

上記は、地域(気候)によって変わります。

なので、その地域での基準値以下である必要があります。

例えば、私の住む大阪であれば22kWh/㎡a以下となっています。

 

漏気回数(気密)(1/h) 【nv,Rest】

漏気回数に関しては、50Paの圧力差における漏気回数で、0.6以下です。

試験は、気密測定の減圧試験と加圧試験の両方が必要になります。

減圧試験と加圧試験でC値も出ますが、それと一緒に表示される50Pa時通気量Q50Pa(m3/h)の

値を気密性能試験の為の気積(NAV)で除した数値を採用します。

日本のC値とは少し違ってきます。

この気密試験は工事中でも完成後でも構いません。

 

一次エネルギー消費量(kWh/㎡a) 【PER】

暖冷房・温水・家電等に使用される総エネルギーは、

有効面積(TFA)1平方メートルあたりが60kWh以下です。

 

上記のような基準があります。

 

また、この基準をクリアする為には、断熱、窓、換気、気密、熱橋

5つの基本原則が重要になります。

 

 

 

建物の計画段階において、PHPP(Passive House Planning Package)というソフトを

基本的に使用します。日本では馴染みやすいように㈱CPUから発売されている

建もの燃費ナビというソフトを使う事でパッシブハウスの検討をおこなう事ができます。

 

この建もの燃費ナビでは、PHPPが連動しています。

まずは、建もの燃費ナビでパッシブハウス基準に達するかを

確認するのも良いかと思います。

建もの燃費ナビにてパッシブハウスに届きそうだという事がわかれば、

PHPPに移行してさらに詳細な数値を入力していき、認定基準に届きそうか確認をします。

日本の申請とは違い、気密性能や熱橋の熱解析も必要となりますので、建物工事が完了するまで

ハッキリとした数値がわからない事も多々あります。

 

 

パッシブハウス認定の種類

基本は、暖房需要の15kWh/(㎡a)を超えてはいけません。

そして、パッシブハウスの認定には一次エネルギー(PER)の需要と創エネ量に基づいて、

いくつかの種類があります。

 

一つ目にパッシブハウス。

パッシブハウスは、最小のエネルギー消費で高いレベルの室温快適性を得られる事が特徴です。

パッシブハウスの認定では、クラシック、プラス、プレミアムの3つのクラスがあります。

再生可能一次エネルギーの需要と創エネ量に基づいてのクラス分けです。

パッシブハウス・クラシックは、一次エネルギーの総需要が60kWh/(㎡a)以下の建物です。

 

パッシブハウス・プラスは、一次エネルギー消費量が45kWh/(㎡a)以下で、

創エネ量が60kWh/(㎡a)以上の建物です。

 

パッシブハウス・プレミアムは、一次エネルギー消費量が30kWh/(㎡a)以下で、

創エネ量が120kWh/(㎡a)以上の建物です。

 

しかし、エネルギー需要が少なければ、創エネ量が少ない分を相殺でき、

またその逆もあります。

この様に新築のパッシブハウスはクラシック・プラス・プレミアムの

3クラスで出来ています。

出典:passipedia

 

二つ目にEnerPHit(エナフィット)です。EnerPHitは改修での認定になります。

EnerPHitもパッシブハウス同様にクラシック・プラス・プレミアムの3クラスがあります。

 

三つ目にLow Energy Buildingです。

Low Energy Buildingはパッシブハウスに完全に適合していない新築に適用で、

年間暖房需要が30kWh/(㎡a)以下、再生可能一次エネルギーの総需要が

75kWh/(㎡a)以下などの決まりがあります。

 

 

パッシブハウスの認定

パッシブハウスの認定は以前までは、パッシブハウス・ジャパンを通じて

パッシブハウス研究所(PHI)に申請受付および審査をおこなっていました。

しかし、2019年よりパッシブハウス・ジャパンで申請受付および審査をおこなうことが

出来るようになりました。

これにより、英語にて申請書を作成していたのが、日本語で日本の

パッシブハウス・ジャパンへ申請する事が出来るようになりました。

パッシブハウスの認定者であるパッシブハウス・ジャパンの森みわ代表理事が

設計者である場合は、パッシブハウス・ジャパンへの認定申請は出来ません。

 

パッシブハウスの認定を許可するのは、パッシブハウス研究所(PHI)や

パッシブハウス・ジャパン以外にもあります。基本的に申請書などの言葉の壁を乗り越えれば、

パッシブハウスの許可権者がいる団体への申請は可能です。

 

また、日本でパッシブハウスの認定を目指すのであれば、計画の段階でパッシブハウスの

コンサルに依頼し、進めていくのが最も良い方法と考えられます。

 

コンサルは現在、日本に数名いるPHPPをよく理解している設計事務所の方です。

パッシブハウスを計画する際は早目にパッシブハウス・ジャパンと連絡を取り、

コンサルと打合せするのがベストかと思われます。

 

パッシブハウスの認定は、日本の確認申請や長期優良住宅などとは全く関係ありませんので

申請は別となります。また、日本の確認申請などとは違い、完成してからの申請になります。

 

認定申請には、パッシブハウスの計算根拠となる詳細な図面から建築部材の性能値、

気密試験結果やヒートブリッジ(熱橋)と言われる窓の納まり部分や基礎と土台の

納まり部分といった個別のWinIso2DやTHERMでの熱解析結果なども必要になります。

そして、完成後に現地での確認として設計通りの換気風量が出ているかの測定が必要となります。

その結果としての換気風量レポートなどの提出も必要となり、膨大な資料となります。

 

認定申請は完成後となりますので、一般ユーザーの住まいの場合は、

暮らし初めて数か月後の認定取得となる事が考えられます。

 

コンサル費用は50万円(税別)

パッシブハウス認定申請費用は30万円(税別)と

なっています。

 

この様な流れでパッシブハウスになっていきます。

パッシブハウス物件だとパッシブハウス(仮)や認定物件や

認定予定と記してあることが多いです。

 

また、すべてがすべて認定を受ける訳ではありませんので

パッシブハウスレベルとの記載もあるかと思います。

 

しかし、燃費ナビでの確認もPHPPでの確認もされず

パッシブハウスと謳われているものはすべてニセモノになります。

 

 

PHPP(Passive House Planning Package)

PHPP(Passive House Planning Package)は、パッシブハウス研究所(PHI)が開発した、

効率的な建物と改修のためのエネルギーバランスと計画のソフトです。

PHPPはエクセル形式のソフトです。

 

PHPPはパッシブハウスを計画する上で必要になります。

このPHPPでは、気候の選択、標高、外皮の断面構成のU値計算、面積検討、

外壁や屋根の色・素材、地中の外皮からの熱損失、ガラスや窓枠の性能、

熱交換換気システムの効率、日射取得、日射遮蔽、漏気回数、換気ダクトの長さ、

局所換気の検討、年間暖房需要、オーバーヒートの頻度、冷房負荷、

冷房・除湿設備、給湯設備、太陽熱温水、太陽光発電、家電、内部発熱、

一次エネルギー消費量などを細かく計算します。

 

購入はネットにてPHPPversion10はドイツ語版を、PHPPversion9は英語版・ドイツ語版。

年2回開催されるパッシブハウス・ジャパンのPHPP集中講座を受ける事で

PHPPversion9の日本語版を購入する事が出来ます。

 

 

designPH

別にdesignPHというソフトもあり、こちらはスケッチアップを用いて使用するソフトになります。

こちらもパッシブハウス研究所(PHI)にて開発されたソフトです。

 

designPHは、日射の検討。暖房需要の自動解析と簡略化された計算、

建物設計の3D編集と最適化、建物外皮の幾何学的データをPHPPにエクスポートでき、

建物外皮の3D表示ですべての熱損失が正しく考慮されていることを視覚的に確認出来ます。

 

 

Bim2PH

パッシブハウス研究所によって開発されたBIMソフトです。

3D BIMソフトへデータを入力しエネルギーバランス計算と効率設計の為の情報をPHPPに

転送する事ができます。

 

 

パッシブハウスの認定建材

パッシブハウスを計画する上で、性能の品質保証も必要となってきます。

パッシブハウス研究所(PHI)は、高性能な建材の認証もおこなっています。

窓、玄関ドア、換気システム、外壁などあります。また、認定された建材には認定証があります。

日本の建材で認定を受けている物は少ないですが、日本でも取り扱いされている

海外の建材では認定を受けている建材はたくさんあります。

 

窓にもクラス分けがあり、phA~phEまであります。極寒地域用としてphA+もあります。

ちなみに日本の窓、YKK apの430ツーアクション窓はphCで

smartwin(佐藤の窓)はphAになっています。

 

 

世界のパッシブハウス

パッシブハウスという名前なので、住宅がと勘違いするかもしれませんが、

パッシブハウスの認定は住宅に留まりません。

 

世界には、戸建て住宅以外のたくさんのパッシブハウスがあります。

集合住宅、図書館、美術館、大学、幼稚園、オフィスビル、

商業ビル、ホテル、教会、工場、スーパーマーケット、

スポーツセンター、寮、消防署、介護施設などがあります。

 

世界中のパッシブハウスはパッシブハウス研究所(PHI)のHPの

パッシブハウスデータベースより閲覧する事ができます。

 

もちろん日本の認定されたパッシブハウスも掲載されています。

 

 

国際パッシブハウス・オープンデー

毎年11月の上旬に3日間ほど世界のパッシブハウスが公開されます。

日本では、パッシブハウス・ジャパン主催で日本のパッシブハウス認定物件や

パッシブハウスレベルの住宅の快適性を体感し、オーナー様や設計者、

施工者さんからの話を聞くことができます。

数少ないパッシブハウスを体感する機会となります。

国際パッシブハウス・オープンデーと言うことでありますので、

全世界が同時におこないます。

なので、日本では寒くなり初めの中途半端な時期での開催となっております。

しかし、パッシブハウスは写真や文章では味わえない空気感がありますので、

可能であればお近くのパッシブハウスを体感していただければと思います。

 

 

まとめ

パッシブハウスは、1991年にドイツで初めて建てられました。

そして、1996年にパッシブハウス研究所(PHI)をヴォルフガング・ファイスト博士によって

設立されました。

 

パッシブハウスは、断熱、窓、換気、気密、熱橋の5つの基本原則が重要になります。

この基本原則にのっとり、年間暖房需要、年間冷房需要、気密性能、一次エネルギー基準を

クリアする必要があります。

 

パッシブハウスは、PHPPというソフトを用いて詳細な計算をおこないます。

この計算結果や熱解析結果を用いて認定申請をおこない、

認定されることで晴れてパッシブハウスとなります。

 

パッシブハウスはただ単に断熱をたくさん使用すれば、パッシブハウスになるという

ものではありません。

 

日本にもパッシブハウス・ジャパンがあるように世界中にパッシブハウスの

関連団体がたくさんあります。

 

パッシブハウスは住宅だけではなく、色々な用途の建物で存在しています。

この先日本でも住宅以外でもパッシブハウスも建築されると思います。

 

パッシブハウスを検討する際は、計画段階から詳細な検討が必要になるので、

パッシブハウス・ジャパンやパッシブハウスの知識を持った実務者に相談した上で

進めるのが一番よい方法と考えられます。

 

日本の断熱性能のUa値と検討や計算のしている量が全く違っています。

全くの別次元と考えてよいかと思います。

 

パッシブハウスの建築したその先には、冷暖房がほとんどいらない、

天候に左右されない健康で快適な暮らしがあります。

 

機会があれば、パッシブハウスの体感をするのが良いと思います。

 

 

パッシブハウスを実際に建ててみたことの記事はこちら ↓ ↓ ↓

「パッシブハウスを建ててみた」

 

 

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