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佐藤の窓って何?!

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こんにちは。アティックワークスの北川です。

 

パッシブハウスや高気密高断熱住宅で使われている木製サッシの佐藤の窓ことスマートウィンをご存知でしょうか。

日本の窓とはかなり違う佐藤の窓の性能や種類、取付にいたる注意点などをまとめてみました。

 

佐藤の窓って何?

佐藤の窓とは香川県丸亀市の工務店パッシオパッシブの佐藤大治社長が令和2年より製造販売を開始した木製サッシのことで正式名称は【smartwin(スマートウィン)】と言います。日本においては【佐藤の窓】で通じます。

その名の通り、佐藤さんが作っているから佐藤の窓と言われています。

 

 

Smartwinって何?

佐藤の窓ことsmartwin(スマートウィン)は佐藤さんが開発して製造しているわけではありません。

 

ドイツのフランツ・フロインドーファー氏が開発した窓で、そのフランツさんのpro Passivhausfenster社とライセンス契約をおこない、日本にて製造されています。

 

他にもオーストリア、スウェーデン、スロバキア、スペイン、韓国、フランス、ラトビア、アメリカでもsmartwin(スマートウィン)は製造されています。

 

このsmartwin(スマートウィン)はパッシブハウスのために開発された窓になります。

ドイツのパッシハウス研究所(PHI)にて認証を受けています。

 

PHIの認証はphA~phEまであり最高性能のphAクラスを取得しています。

 

上記はスマートウィンのFIX窓のパッシブハウス研究所(PHI)の認証。

 

 

佐藤の窓ってどんな窓?

種類とサイズ

佐藤の窓は、日本で一般的に見られる窓とは大きく異なります。

種類として、

ドレーキップ、

ヘーベーシーベ、

フィックス、

キップ

があります。

 

また、これの組み合わせとして、

ドレーキップ+フィックス(連窓)

ドレーキップ+フィックス(段窓)

やコーナー窓があります。

 

連窓・・・横に連続する窓

段窓・・・縦に連続する窓

 

そして、開閉方法が違います。

 

日本で一般的な「引違い窓」はありません。

 

開閉方法で、ドレーキップはドレ―(内開き)、キップ(内倒し)の2通りの開閉が出来る窓です。

左がドレ―、右がキップで開けた状態。

 

ヘーベーシーベは引戸が持ち上がってスライドする窓の事です。

 

日本の引違い窓は窓が左右にスライドしますが、ヘーベーシーベは片側が固定となっています。

 

フィックス窓は今や日本でもおなじみとなったはめ殺し窓で開かない窓の事です。

 

また、ドレーキップも内開き、内倒しと室内側に窓が開く為、あまり見かけない開閉方式であり、2通りの開閉が出来るもの珍しく思います。

 

しかし、この開閉方法は世界では一般的となっています。

 

今現在(2023年)は、非防火窓しかありませんが都市部でも使う事が出来る防火窓の認定に向けて日々研究中との事です。

近い将来、都市部でも佐藤の窓を使える日が来るでしょう。

 

佐藤の窓のサイズの日本の住宅で使われているサッシの様に規格寸法はなく、ミリ単位での製作となります。

 

最大サイズは約3.3m×2.30mとなります。

 

運送上の制限などもありますので、特大開口には注意が必要です。

 

四角の窓以外にも台形などの窓も作成する事ができます。

 

 

ガラス

佐藤の窓は日本で一般的に使われているガラスと違っています。日本で現在一般的なガラスは複層ガラスです。

ガラス+空気層(ガス層)+ガラスという構成が一般的だと思います。

 

そして、もう1層プラスしたトリプルガラスも少しずつ一般化してきました。

 

その少しずつ一般化してきたトリプルガラスが標準となっています。

 

ガラスは、フランスのサンゴバン社のECLAZ(イークラッツ)が使用されています。

※型板ガラス(半透明)や遮蔽型の場合はAGC製のガラスとなります。

 

このガラスの特徴は、より多くの日射を取り入れる事が出来ます。しかし、高い遮熱性能と断熱性能も

持ち合わせているという優れものとなっています。

 

基本的なガラスの構成は、ECLAZ 4mmガラス+アルゴンガス 18mm+透明ガラス4mm+アルゴンガス 18mm +ECLAZ 4mmガラスとなっていて、それぞれのECLAZの内側にはLow-Eがコーティングされてあります。

 

大きいガラスになると4mmがそれぞれ6mmのサイズになります。

最低でもガラスの厚みが48mmはあるという事です。

 

ガラスの日射取得率は0.59でガラスのU値は0.53W/(㎡K)となります。

 

これはガラスのみ性能です。

 

また、遮蔽型としてAGCガラスの透明と型板があります。

ガラスを見比べるとこちらの方が黒っぽい色をしています。

 

こちらの日射取得率は0.32でガラスのU値は0.54W/(㎡K)となっています。

 

 

佐藤の窓の特徴としては「枠」が取り上げられます。

一般的な窓の枠は上、下、左、右と4周枠があります。

アルミサッシならアルミで、

樹脂サッシなら樹脂で、

木製サッシなら木で。

 

佐藤の窓は木製サッシです。

しかし、木の窓とは少しイメージが違います。

内側から見ると4周窓枠は木で出来ています。

 

木製サッシですからね。

 

しかし、外部から見るとこれが違ってきます。

上、左、右は断熱。

下枠はアルミ。

 

また、佐藤の窓が施工されると

上、左、右の断熱は外壁に隠れ

見えなくなります。

 

なので、外部から見える枠は

下枠のアルミが見えます。

 

 

木製サッシなのに?

っていうことですが、

外部は木がむき出しであると塗装のメンテナンス等あるので、アルミで覆われているアルミクラッド呼ばれる木製サッシとなっています。

 

外部は下枠のみが見えるスッキリとしたデザインとなります。

 

また、枠が下しか見えないのが一番の特徴ではなく、上、左、右枠が断熱で出来てる点です。

 

枠のU値は下枠が0.96W/(㎡K)で、

ドレーキップの上左右枠が0.75W/(㎡K)、

フィックスの上左右枠が0.60W/(㎡K)、

連窓の方立が0.87W/(㎡K)となります。

 

窓の性能はガラスの性能、枠の性能、そして、窓を取り付けた時の窓の上、下、左、右の4周のインストールψ(プサイ)と呼ばれる数値で決まります。

日本ではこのインストールψ(プサイ)は全く考慮されておりません。

パッシブハウスともなれば、この窓の4周から逃げる熱は大きくなり、また弱点となる部分でもありますので、非常に重要視されています。

一般的なサッシの場合、窓が取り付く4周部分は断熱がかなり弱い状態となります。

しかし、この弱点が佐藤の窓には無いという事になります。

これが最大の特徴だと思います。

 

内部の枠は木製ですので木です。

 

この木は標準として

ヘムロック(米栂)、もしくは九州産の杉です。

オリジナルとして、地元産の木でも

製作をすることが出来ます。

(窓側ヘムロック(米栂)、バー材サンプルは杉)

 

また、外部の下枠はアルミです。

このアルミの色は、日塗工でN-72(ライトグレー)とN-30(濃いグレー)があります。

 

これも日塗工で色の指定をすれば好きな色で製作してもらう事が出来ます。

 

内部枠も基本はクリア塗装ですが、塗装して着色してもらう事も可能です。

もちろん標準以外は追加費用がありますが。

 

 

佐藤の窓の発注から搬入、そして取付

佐藤の窓を小窓として使う場合は問題ないのですが、たいていは大開口を含んで発注する事が多いと考えられます。

発注した佐藤の窓はパレット上にまとめられ、トラックにて運送されてきます。

大小合わせて9窓、弊社では発注しました。その重量として、800kgを超えます。

小窓は持てたとしても大開口は人の手で持ち上がりません。

なので、上棟時にレッカーにて住宅内に吊り込む必要があります。

 

佐藤の窓は窓を取り付ける段階での搬入ではなく、上棟時での搬入をお勧めします。

ここから考えると、上棟2か月前には遅くとも発注しておく必要があります。

 

取付に関して、初施工の時のみ、佐藤の窓、佐藤氏が取付サポートにやって来てくれます。

取付サポートなので、取付方法等の説明・指示をおこなって下さります。

あくまでも取付はその工務店で行うこととなります。

 

2.5m×2.2mサイズの佐藤の窓ともなれば、取付に内側4人、外側4人くらいは必要となってきます。

また、取付にはガラス用の吸盤などの道具も必要となります。

 

そして、日本の住宅で使われている、半外付けサッシとは違い、建物のどの位置に取付けるかは設計者の設計図通りとなります。

 

佐藤の窓の窓厚は、15センチあります。普通の窓とはけた違いにぶ厚く出来ています。

 

一般的なお家の壁厚が約16センチ。一般的なお家には取付することが出来ません。

付加断熱、外張り断熱が施工されていないとそもそも壁厚が足りません。

 

また、超高性能サッシの為、性能が低いお家に採用するのはバランスもコスパも悪いという事になります。

まずは、本体の性能を高く上げてからの採用が基本です。

 

 

網戸

佐藤の窓ことスマートウィンはドイツ生まれです。

 

ドイツで網戸はないことから基本仕様として網戸はありませんでした。

 

しかし、現在は日本オリジナルとして、網戸の取付が可能となっています。

 

網戸取付仕様で発注しておくと後からの網戸の設置も可能です。

 

大開口窓に網戸を取り付ける事で窓の向こう側の風景の邪魔になるのならない方がいいのではないかと思います。

 

佐藤の窓を取り付ける程の高性能であれば、もしかすると窓を開けて暮らす事はないかもしれません。

 

また、佐藤の窓とレイヤーを分けて網戸や雨戸を作る方法も良いかもしれませんね。

 

 

まとめ

佐藤の窓ことSmartwin(スマートウィン)は、フランツ氏がドイツでパッシブハウスの為に開発された窓で、日本と佐藤大治氏とライセンス契約を結び、日本で製造販売をおこなっている超高性能木製サッシです。

 

パッシブハウス研究所の最高性能ランクのphAランクを取得しています。

 

採用を考える場合は、建物自体が高性能である必要があります。

 

窓自体の厚みがあることから低性能住宅には取付する事ができない事、また、性能的なバランスも悪いことから採用は出来ません。

 

特徴として、内部から見ると木製であり、外部からみると枠は下部分しか見えず、他の3方は外壁の中に隠れます。

 

そして、高い断熱性能を誇りながら、高い日射取得を行うことが出来ます。

 

一般的な日本の窓とは仕様から施工方法まで違いますので、採用する際は、注意が必要です。

 

世界最高性能の窓をかっこよく使ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

窓ガラスについては、

住宅で使われる窓ガラスの種類についてまとめてみました。」を参照ください。

 

窓の枠については、

住宅で使われるサッシについてまとめてみました。」を参照してください。

 

 

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