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大阪でパッシブハウスを考えてみる。

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こんにちは。アティックワークスの北川です。

ドイツで確立された超省エネ住宅のパッシブハウスを大阪で考えてみたいと思います。

パッシブハウスを体感してみると、とんでもない快適な空間だということがわかります。

そんなパッシブハウスは大阪に建てることが出来るのか?

そして大阪でパッシブハウスと言われいるお家はあるのか。

そんなことをまとめてみました。

 

パッシブハウスとは?

パッシブハウスとは、1991年にドイツのパッシブハウス研究所の

ヴォルフガング・ファイスト博士が確立された超省エネ住宅です。

 

パッシブハウスは国の基準ではなく、民間の省エネ基準です。

そして、パッシブハウスの性能の条件を満たし、パッシブハウスの認定機関から認定を受け、

パッシブハウスとなります。

 

パッシブハウスは、しっかりとした断熱、空気の漏れをなくす施工、熱橋を無くすこと、

良い性能の窓の採用、窓の向きと日射遮蔽の計画、熱交換換気の採用などを

緻密に計画・施工されて建てられています。

 

パッシブハウスは、暖房がほとんどいらなくなり、経済性を維持しながら居住性の高い

省エネ住宅をつくります。

現在では、ヨーロッパ以外の地域でも気候風土に合わせたパッシブハウスの取り組みが

なされています。

 

地球にもやさしい。そんな住宅です。

 

 

パッシブハウスの基準

パッシブハウスの性能基準は、1㎡当たりのエネルギー量 kwh/㎡(年間)

暖房負荷が各15kwh/㎡以下

※冷房負荷は場所によって違いあり

 

一次エネルギー消費量(家電も含む)120kwh/㎡以下

 

気密性能として50Paの加圧時の漏気回数0.6回以下

約40~45坪でC値0.2c㎡/㎡以下、約30坪で0.13c㎡/㎡以下

 

上記などになる。

このような基準を満たす必要があります。

 

パッシブハウスは「PHPP(Passive House Planning Package)」という

ソフトで建物の熱損失計算をおこないます。

なので、PHPPでないとパッシブハウスかどうかは確認できません。

PHPPの計算表

 

日本では、㈱CPUから発売されている「建もの燃費ナビ」はPHPPと連動しているので、

建もの燃費ナビより、基準を満たすかどうかを確認することができます。

建もの燃費ナビの計算結果

また、パッシブハウスジャパンが主催するPHPP講座を受けることでPHPPの

操作方法と単体のソフトを手にすることができます。

 

日本の省エネ基準のUa値とはまた違う数値での検討になっています。

日本では、気密性能は問われていませんが、パッシブハウスでは気密性能も

必要となります。

 

このことからパッシブハウスは、設計の段階でパッシブハウスの認定を受けることは出来ません。

 

ちなみにパッシブハウスの基準は日本にある基準よりくらべものにならないほど高い基準です。

 

 

パッシブハウスの認定

パッシブハウスの認定を受けるには、 Passive House Institute (PHI)に審査を

依頼し認定を受ける必要がありました。

しかし、2019年より一般社団法人パッシブハウス・ジャパンで申請受付および

審査をおこなうことが出来るようになりました。

 

認定機関は世界各国にあり、どこの国でも認定申請を行う事は可能です。

 

もちろんですが、パッシブハウスの認定は無料ではありません。

認定費用はパッシブハウス・ジャパンに30万円+税

設計コンサルに50万円+税

合計80万円+税ほどは費用がかかります。

 

 

パッシブハウスを体感

日本にはまだパッシブハウスは少ないですが、実際に建っている

パッシブハウスを体感することが出来ます。

 

毎年、11月に3日間、国際パッシブハウス・オープンデーが開催されます。

世界中のパッシブハウス基準をクリアした建物が一同に見学会をおこなうイベントです。

パッシブハウス・ジャパンのHPより見学できるパッシブハウスが掲載されます。

そこで申し込みすることにより見学することが出来ます。

 

その他には、タイミングがよければ、工事が完了したパッシブハウスの

見学会に参加することが出来る場合もあります。

 

私はパッシブハウスを数件見学させて頂き、体感をしています。

普通の家とは全く比べ物にならず、温度ムラのない超快適空間です。

 

夏と冬のどちらの季節でも体感していただくのが一番良いです。

 

 

大阪でパッシブハウスを建てるには?

大阪でパッシブハウスを建てるには、もちろん上記のとんでもなく

厳しい基準をクリアし、認定を受ける必要があります。

 

しかし、大阪にはそれ以前にパッシブハウスを建てるにあたって

日本の法律や大阪特有の障害があります。

 

パッシブハウスは、建物の向きや窓の位置などが重要になります。

しかし、大阪は狭小地が多く、敷地の三方がいっぱいいっぱいに隣地建物で

覆われていることが多々あります。

そのことにより、日射取得にかなりの影響があると考えられます。

敷地が多少広くても、南側に3階建ての建てものなど高層建築がある場合

冬季に影を落とす事が考えられます。

 

そして、大阪の半分ほどの地域において、準防火地域という日本の

法律がかかっています。

準防火地域の木造住宅の窓には、防火認定を取得している窓を採用

しなければならない場合がほとんどです。

 

これにより法律で高性能窓が使えなくなり、基準を満たすことが厳しくなります。

 

防火認定の基準を満たしたガラスが3枚で構成された性能の高い窓もあるのですが、

非防火の窓からすると性能は落ちますし、パッシブハウスの認定を目指すには

とても厳しすぎる性能になってしまいます。

 

今後、防火認定を取得した超高性能窓の発売に期待です。

 

しかし、大阪でも田舎の割と敷地が広々している地域では、

3方向に建物が迫っていない場所はまだたくさんあります。

そして、準防火地域に指定されていない地域もあります。

 

そういう大阪の都市部ではない地域では、パッシブハウスを建てることは可能かと考えられます。

 

もし、大阪でパッシブハウスを建築したいとお考えであれば、土地の購入前にパッシブハウスを

建てるにあたって要らぬ法律が邪魔をしないかは調べる必要があります。

 

パッシブハウスの建築に際して、どこの誰もが設計・施工が出来るお家ではありません。

 

パッシブハウスを計画できる設計力のある設計士と

それを施工するだけの技術を持っている工務店でなければなりません。

 

パッシブハウス・ジャパンの省エネ建築診断士を持っているから、

パッシブハウス・ジャパンの賛助会員だから出来るか?

というとそういう訳でもありません。

 

もちろん、設計事務所、工務店共に深い知識も要します。

 

そして、認定を進めるにあたってパッシブハウスのコンサルがあります。

スムーズに話を進めるには、このコンサルと共に進めていくのがベストです。

 

 

大阪のパッシブハウス

大阪にパッシブハウスはあるのか?

 

2023年10月に大阪の枚方にて1棟目のパッシブハウスが認定されました。

また、筆者北川もパッシブハウス認定申請物件を完成させています。

※これからパッシハウス認定申請を行う。

 

 

パッシブハウス・ジャパンでは、建もの省エネ健康マップというものがあります。

この表からパッシブハウスレベルはどれくらいかというのが確認できます。

 

 

大阪でパッシブハウスとうたわれている建物がありますが、

とんでもなく厳しい基準をクリアしていないと名乗ることは出来ません。

 

パッシブハウスとうたわれているものには、それなりの証明があります。

認定プレートや証明書など。

 

無ければ、すべてパッシブハウスと謳っているだけの建物で

全くもってパッシブハウスではありませんので、勘違いしないように。

 

また、パッシブハウスパッシブデザインは違いますからね。

 

大阪でパッシブハウスとうたわれていたら確認しましょう。

 

 

まとめ

パッシブハウスはドイツで生まれた超省エネ住宅です。

そのレベルは日本の基準とは比べ物になりません。

 

パッシブハウスの認定を受けるには、厳しい基準をクリアする必要があります。

現在、認定は日本でも受けることが出来るようになっています。

 

パッシブハウスはまだまだ日本には少ないですが、

1年に1度オープンハウスデーが開催されています。

 

パッシブハウスの体感は衝撃を受けるほどの快適空間です。

夏と冬の2回体感出来ればなお良いと思います。

 

そして、大阪でのパッシブハウスの建築は色々なハードルがありますが、

大阪でもパッシブハウスは狙えると思います。

 

大阪でもパッシブハウスと謳っている住宅を見かけるが、そいうい場合は

PHIやPHJの認定証明を見せてもらいましょう。

 

パッシブハウスをお考えの方は、設計・施工ともに

絶大な実力をもった会社に頼む必要があります。

 

大阪でパッシブハウスの参考になれればうれしいです。

 

 

パッシブハウスについてはこちら

「パッシブハウスってなに?!」

「大阪でパッシブハウスを建ててみた」

 

 

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