大阪で高気密高断熱住宅ならアティックワークス

家づくりメルマガ無料配信中!!

耐震等級3とは?!

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは。アティックワークスの北川です。

 

地震が多い日本において耐震性能は絶対的に必要なものです。そんな我が国で安心して暮らすため定められた耐震等級とは何なのか?

また、耐震等級は耐震等級1から耐震等級3までありどのようなものなのか?

そんな耐震等級はどこに書いてあるのか?などをまとめてみました。

 

 

木造住宅の耐震基準の変遷

耐震等級を深く進める前に簡単に耐震基準がどう変わって来たのかを見てみたいと思います。

日本の木造住宅は少しずつ耐震化が図られてきました。

 

〇1950年(S25)建築基準法の制定

・壁量規定 8/12

・筋かいをボルト、かすがい、釘等で固定。

柱はかすがいでとめる。

・耐力壁はつり合いよく配置(計算なし)

 

〇1959年(S34)建築基準法の改正

・壁量規定の強化 12/21

 

●1968年 (S43)十勝沖地震(M7.9 最大震度5)

 

○1971年(S46)建築基準法の改正

・コンクリート造布基礎と規定(帯筋の強化)

 

●1978年 (S53)宮城県沖地震(M7.4 最大震度5)

死者16名 うちブロック塀による死亡11名

 

○1981年(S56.6)新耐震設計基準

・壁量規定の見直し 15/29

・面材(合板等)耐力壁を規定

・基礎が鉄筋コンクリート造に

 

●1983年 (S58)日本海中部地震(M7.7 最大震度5)

 

●1995年 (H7)阪神淡路大震災 (M7.3 最大震度7)

 

○1995年 (H7)建築基準法の改正

・接合金物等の奨励

 

○2000年(H12)建築基準法の改正

・地耐力に応じたい基礎の特定

・筋かいサイズによる金物の規定

・壁倍率の高い壁の端部や出隅などの柱脚では

ホールダウン金物が必須

・平面4分割法

・『品確法による耐震等級が制定』

 

そして現在(2024年)

 

日本の木造住宅は大きい地震が起きる度に耐震化が少しずつ進んできました。

 

2000年の建築基準法の改正に適合した木造住宅は耐震等級1という事になります。

つまり、耐震等級2・3は義務化ではありません。

 

建てた年代がわかると大体の施工の仕方も分かってきます。

また、昔は現在のように検査など無かったり、受けて来なかった時代である為、図面に筋かいが記されてあっても現地では施工されていない。なんて事も普通にありました。

 

現在は、工事中に金物検査が法的にある事、また、瑕疵担保責任保険でも同じ金物検査が行われます。

 

しかし、2000年以降は東日本大震災や熊本地震が起こっていますが、法改正は行われていません。

 

 

過去の地震

日本は地震大国で大きい地震が数年おきに各地で発生しています。

数百年に一度発生する地震と言われるものが震度6強から7と言われています。

しかし、日本各地で考えると各地で頻繁に起きています。

 

1995年(H7)1月   阪神淡路大震災     M7.3 最大震度7

2000年(H12)10月  鳥取県西部地震     M7.3 最大震度6強

2003年(H15)7月   宮城県北部地震     M6.4 最大震度6強

2004年(H16)10月  新潟県中越地震     M6.8 最大震度7

2007年(H19)3月    能登半島地震        M6.9 最大震度6強

2007年(H19)7月    新潟県中越沖地震   M6.8 最大震度6強

2008年(H20)6月    岩手・宮城内陸地震 M7.2 最大震度6強

2011年(H23)3月    東日本大震災        M9.0 最大震度7

2011年(H23)3月    静岡県東部地震      M6.4 最大震度6強

2016年(H28)4月    熊本地震              M6.5 最大震度7

2016年(H28)4月    熊本地震              M7.3 最大震度7

2018年(H30)6月   大阪北部地震         M6.1 最大震度6弱

2018年(H30)9月    北海道胆振東部地震 M6.7 最大震度7

2019年(R1)6月     山形県沖地震         M6.7 最大震度6強

2021年(R3)2月     福島県沖地震         M7.3 最大震度6強

2022年(R4)3月     福島県沖地震         M7.4 最大震度6強

2022年(R4)6月  能登半島地震    M5.4 最大震度6弱

2023年(R5)5月  能登半島地震    M6.5 最大震度6強

2024年(R6)1月  能登半島地震    M7.6 最大震度7

2024年(R6)1月  能登半島地震    M4.3 最大震度6弱

 

最大震度6強の地震は最長で5年以内。

多いと年2・3回起こっている事がわかります。

 

最大震度6弱以下も含めると年に数回はそれなりの地震が起こっている事になります。

ちなみに2018年(H30)6月に起こった大阪北部地震の最大震度は6弱です。

 

また、強震モニタというアプリでリアルタイムにどこで地震が起こっているのか確認できるアプリがありますが、毎日どこかで何度も小さい地震は起きています。

 

マグニチュードと震度

地震が起きた時に出てくるマグニチュードと震度とは何が違うのか?

 

マグニチュードとは、地震そのものの大きさです。つまり地震の規模(エネルギー)を表しています。

 

震度は場所ごとにそれぞれ決まりますがマグニチュードがひとつの地震に対してひとつの数字しかありません。

 

大きさの度合いとして、マグニチュードが0.2大きい地震は約2倍、1.0大きい地震は32倍、2.0大きい地震は1,000倍のエネルギーを持ちます。

なので、マグニチュードが1違うだけでもかなりのエネルギーが大きくなることがわかります。

 

震度とは、ある場所がどれくらい揺れたかを表します。

同じ地震でも震源からの距離や地盤の揺れやすさなどで、揺れの大きさは変わってきます。

日本では、震度は0~7までの数字で決められています。

また、震度5と6は弱と強の2種類に分かれています。

なので、震度は合計で10段階あります。

 

 

耐震等級3とは

耐震等級とは

耐震等級は地震に対する建物の強さを示す指標のひとつで、住宅の性能表示制度を定める「住宅品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に関する法律に基づいています。

品確法は、住宅性能表示制度や新築住宅10年保証などについて定められた法律で、住宅建築における決まり事を定めた「建築基準法」とは異なります。

品確法で定められている住宅の耐震等級は1から3まで性能の高さを段階的に表しています。

等級は数字が大きければ大きいほど耐震性が高いと評価されています。

一方、建築基準法で規定されている耐震性能は、「震度6~7の大震災でも倒壊・崩壊しない」ことを基準にしています。

震度6~7の地震でも倒壊しないのなら耐震等級1で良いと考える方もいらっしゃいますが、実際には東日本大震災・熊本地震で耐震等級1、耐震等級2の住宅が倒壊した事例が数多くあります。

 

耐震等級は何で決まる?

1 基礎の構造

2 建物の重さ

3 頑丈な壁「耐力壁」の量

4 耐力壁や耐震金物の配置

5 床(水平構面)の耐力

 

1.基礎の構造は「ベタ基礎」や「布基礎」など複数の種類があり、基礎の構造により耐震性能は変わります。

 

2.建物の重さは軽ければ軽いほど揺れの影響を受けにくいため、耐震性能は向上します。

 

3.頑丈な構造の耐力壁が多いほど強くなります。一方で窓など開口部が多い壁が占める割合が増えれば耐震性は弱くなります。

 

4.3の耐力壁は、構造のどこに配置されているかによって発揮される効果が変わってきます。耐震性を高める金物も同様であり、配置に加え何を用いるかによって耐震性の強度は変化します。

 

5.壁だけではなく、壁と直接つながっている床や天井などの「水平構面」も建物の耐震性に影響を及ぼします。例えば解放感ある吹き抜けがある構造などは耐震性が下がる原因になります。(ちゃんと構造計画すれば問題なし。)

 

耐震等級は何を見ればわかる?

耐震等級を確認したい場合は新築時に作成する書類「住宅性能評価書」を確認してみましょう。住宅性能評価書は第三者評価機関が全国共通ルールのもと、住宅性能を評価した書類で評価内容のひとつに耐震等級が含まれています。

建築確認申請のみでは耐震等級1となるので、住宅性能評価の申請をしていない場合は耐震等級2なのか耐震等級3なのかはわか

 

耐震等級1

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して倒壊・崩壊等しない程度。

基本的に建築基準法を守って建築すればこの耐震等級1に該当します。

 

耐震等級2

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊等しない程度。

学校や避難所といった公共建築物に耐震等級2が多い。

 

耐震等級3

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(耐震等級1)の1.5倍の力に対して倒壊・崩壊等しない程度。

消防署や警察署といった災害復興の拠点となる防災施設に耐震等級3が多い。

 

耐震等級は上記のような等級分けになります。

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震とは、およそ震度6強~7の地震です。

 

 

耐震等級3相当とは?

耐震等級3相当とは、文字通り耐震等級3に相当する性能はあるが住宅性能評価機関へ申請をしておらず、正式な認定を受けていない建物のことを示します。

正式な申請をしていないため、その建物を建てた建築会社以外の専門機関による評価や証明書がなく実際の耐震性能はその建物を建てた建築会社しかわかりません。

また、耐震等級3によって受けることができる地震保険の割引や金利の引下げといった優遇をうけることができません。

耐震等級3と耐震等級3相当は違うものという事です、気を付けましょう。

 

 

耐震等級3と1の違い

耐震等級1は一番低い等級で、建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たしていることを示すものです。

数百年に一度起こる震度による力(建築基準法施工例第88条第3項に定められているもの)6強から7に相当する大地震でも耐えられるように構造計算されています。

大地震が発生したときに人が建物から外へ避難できる時間は倒壊しない、「住む人の命を守る」最低限の基準であると考えましょう。

熊本地震の事例からわかるように、耐震等級1ではほぼ倒壊する恐れがあり、家が倒壊し二度と住むことができない可能性が高いということです。

 

耐震等級3は「数百年に一度の地震が起こっても、修繕することで引き続き住むことができる」強さを持つ建物といえます。

 

どちらが良いと皆様は考えますか?

 

 

 

耐震等級3の構造計算方法

建築基準法では、2階建て以下でかつ500㎡以下の木造の住宅は「4号建築物」と呼ばれており、構造計算の提出は義務化されていません。(2024年現在)

一般的な2階建て木造住宅は、「4号建築物」に該当します。

 

建築基準法6条で1号から4号までの分類があり、木造住宅2階建て・平屋建ては4号に分類されます。

ちなみに1号から3号まではこんな感じです。

1号建築物は、特殊建築物といい大きい建築物で映画館や病院、学校や商業施設などです。

2号建築物は、木造3階建て住宅が該当します。

3号建築物は、鉄骨造・RC造の住宅が該当します。

 

もう少し細かく規定がありますが、このような振り分けです。

この1号から3号は構造計算が必須の建物になります。

木造住宅は基本4号建物で都会などの狭小地でよく建設される3階建ては2号建築物です。

なので、木造3階建て住宅の場合は、構造計算が必須となっております。

 

現在4号建築物の構造計算の提出は必要ありませんが、設計者は計算をする必要があります。

耐震性能を維持するために各部構造の仕様が規定されており、それが「仕様規定」です。

(※仕様規定とは建築基準法で安全な建築物をつくるために定められている規定)

この『仕様』にそって設計すれば性能表示計算や、許容応力度計算を行わずに耐震等級1の建物が建てられます。

 

建築基準法に適合した仕様規定(壁量計算・四分割法・N値計算など)で計算すると耐震等級1になります。

 

では耐震等級3に必要な『性能表示計算(品確法による計算)』と『許容応力度計算』はどのような違いがあるか簡単に見ていきましょう。

耐震等級3を取得するには先にも述べた「仕様規定による計算」では設計ができません。

耐震等級3の設計を行うにはどちらかで計算を行う必要があります。

この計算方法にも違いがあり、性能表示計算より許容応力度による構造計算の方がより細部まで計算を行っています。

 

許容応力度計算とは?

許容応力度計算は、柱の1本・梁の1本・基礎に至るまですべての部材にかかる力を計算していく方法です。

主な検討項目は以下の通りです。

・壁量計算

・壁の配置バランス

・水平構面

・柱頭柱脚の接合方法

・柱や梁、横架材などの部材検討

・基礎設計

 

家の強度を確認するための「壁の強さ」「部材の強さ」「地盤・基礎の強さ」ですね。

この3つの分野全て綿密に調べることができ、住宅業界でも専門的に行っていない限り、その中身を十分に理解できる人はほとんどいないと言われているほど詳細な計算を行います。

 

よくある2階建ての木造住宅を1棟たてるための許容応力度計算でも、かなりの日数がかかり計算資料はA4数百枚にもなります。

 

品確法による計算方法は?

品確法で規定されている住宅性能表示制度による計算では、

壁量計算に加えて床・屋根倍率の確認と床倍率に応じた横架材接合部の倍率も検討します。

品確法計算(性能表示計算)は水平構面(横揺れに対して壁の踏ん張りがちゃんと効くか)の検討が組み込まれており、吹き抜けやバルコニーも考慮されています。

 

同じ耐震等級でも、許容応力度計算のほうが強い部材の追加が必要になります。

これは品確法による計算だけでは評価しきれない部分があり、見込める安全率の振れ幅が比較的大きいことを暗示しています。

 

 

耐震等級3での熊本地震での被害

2016年4月14日、16日と熊本を震度7の地震が2回続けて起きるという過去に例のない大地震の被害が発生しました。

熊本県における住宅の倒壊(全壊)は8160棟、半壊は29,102棟、一部破損は129,632棟(国土交通省同年9月調べ)でした。

一度目は耐えたが2度目の地震で倒壊した住宅が多数あった中、耐震等級3の住宅は2度の震度7に耐えたことが専門家の調査結果で明らかになっております。

出典:熊本地震を教訓に。耐震等級3のススメ

 

 

耐震等級3のデメリット

1.間取りに制限が生じる

2.費用がかかる

そういう事を聞くかもしれません。しかし、そんな事はありません。設計が上手な人は当たり前に構造計画も考えた上で設計を行います。間取りに制限が生じるなどと言うような設計者であれば、依頼を辞めるべきです。

 

費用がかかる。それは耐震等級1よりは費用は当然必要になります。しかし、それがとんでもなく価格アップになるとも思いません。地震でせっかく建てたお家が倒壊するよりはるかマシです。迷わず耐震等級3しかありません。

 

まとめ

日本では大地震の発生を機に耐震基準の改正を行われる構造です。自然災害・地震大国の日本で安全安心に暮らすために必要なものは何か。今後起こりうる巨大地震に対してどういったお家づくりをするのか?建築基準法を守った耐震等級1では大丈夫でないことが証明されています。しっかりとしたお家づくりをおこなっていく事が最重要となってきます。

 

 

直下率については、

直下率ってなに?!直下率のことを考えてみる」を参照ください。

 

 

みなさんに役立つ情報が見られる

メールマガジンを配信しています。

家づくりのメールマガジンを配信しています!

 

↑↑↑こちらからメールアドレスのみの登録で、すぐ完了します。

登録お待ちしております♪

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です