大阪で高気密高断熱住宅ならアティックワークス

家づくりメルマガ無料配信中!!

直下率ってなに?!直下率のことを考えてみる

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -

こんにちは。アティックワークスの北川です。

 

木造建築で、「直下率」っていう言葉をちょくちょく聞くことがあると思います。

特に熊本地震の際にテレビ番組などに取り上げられたことで聞く機会は増えたかもしれません。

「直下率」は、上下階の「柱」、「壁」の揃っている割合のことです。

 

直下率とは?

木造の在来軸組模型

「直下率」は、1階と2階との上下階の「柱」、「壁」の揃っている割合のことで、

種類としては、「柱」「壁」の2種類があります。

 

ちなみにこの図は「柱」の直下率がよい場合のイメージと悪いイメージ。

悪い方は、なんだかすっきりしなく、ガタガタした骨組になっています。

 

 

直下率の考え方

直下率の検討

直下率には、目安があります。

「柱」は50%以上

「壁」は60%以上

「耐力壁」は70%以上です。

 

この値を下回っていくと、急激に事故の割合が増えます。

出典:安全な構造の伏図の描き方が誰でも分かる本:エスクナレッジ

 

どんな事故が起きるのかと言いますと、2階の床の不陸事故です。

床が水平でない部分などが発生し、生活上の不具合につながります。

 

※不陸とは、平らではなく凹凸があること、または水平でないことをいいます。

 

基本的に上下階が揃っていたら、1階、2階の外周部はほとんどが重なるかと思います。

なので、おのずと直下率は上がってきます。

検討する時は、外周通りを除いた「柱」、「壁」の直下率の割合を確認することが大事です。

 

直下率がよい場合は、力の流れがスムーズです。しかし、直下率が悪い場合、

力の流れが複雑になってしまいます。

 

直下率が悪いと、力が加わった時に下階に柱がないことで梁がたわんで負担をかけます。

柱を受ける梁には大きな力が作用するということです。

 

 

そして、直下率が悪い場合、梁に大きな力が作用する為、梁成(梁の高さ)が大きくなります。

もちろん部材が大きくなるということは、コストにも影響します。

 

 

どういう風に間取りを考える?

手書きの図面

間取りを考える時、平面計画が先行する場合が多いと考えられます。

どういった部屋でどれくらいの大きさが欲しいなど。

 

間取りを考える時は、構造計画(架構設計)も一緒に考える必要があります。

 

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物では2階の柱の下に1階の柱がくるのが当たり前です。

柱・梁の骨組みの中に平面プランが計画されていきます。

鉄骨造の軸組

 

木造も鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同じで2階の柱の下に1階の柱が必要になります。

木造の場合は、柱や梁の配置を検討する際は、「構造ブロック」というものを考えます。

1ブロックを3640mm×5460mm以内(推奨は3640mm×3640mm)大きさで

上下階の柱が揃うように計画します。

 

これでブロックの四つ角は必ず上下階で柱は揃います。

 

そして、次は上下階の「耐力壁」が揃うように計画をおこないます。

 

このような構造計画とともに間取りを考えていきます。

 

そして、最後に直下率がどうか?の確認をします。

これだけのことを考えながら計画を行うと直下率もおのずと

よいものになっていると考えられます。

 

一番に直下率ではなく、構造ブロック、上下階の耐力壁の揃いという順で考えます。

 

 

直下率と建築基準法

建築基準法法令集

建築基準法とは、読んで字のごとく建築する上で守らなければならない法律です。

木造の構造の事は、建築基準法施行令40条より記載があります。

 

しかし、「直下率」という言葉の記載はありません。

 

ということは、どういうことなのか?

 

直下率に対しての決まりは建築基準法では定められていないということになります。

 

なので、直下率がどれだけ悪かろうが建築することが出来てしまいます。

 

このように、建築基準法では定められていない事もあります。

そして、定められている内容にしても最低基準なので、ただこれを守れば良いという事ではありません。

直下率は設計士がチェックする以外は、誰からもチェックされることはありません。

 

そして、設計士も直下率が建築基準法に規定がない為、もしかしたらチェックさえ怠って

いることもあると考えられます。

 

 

直下率と耐震性

木造住宅の上棟

直下率と耐震性は関係があると思います。

熊本地震では、直下率の悪い住宅が大破したという事実もあります。

 

直下率の割合で起こるのは2階の床の不陸事故ですが、直下率が悪いということは、

構造的に不具合があると考えられます。

不陸事故、地震被害どちらにおいても被害はおおごとです。

 

不陸事故は普段の生活上の不具合につながりますので、どちらにせよ直下率が良いに

越したことはありません。

 

 

まとめ

今回は「直下率」について解説しました。

直下率とは、1階と2階との上下階での「柱」や「壁」の揃っている割合です。

しかし、その直下率は建築基準法には規定されていません。

それにより、直下率が悪くても建築することが出来てしまいます。

 

直下率には、目安があります。この数値を下回っていくと2階の床の不陸事故の割合が

急激に増えるということ。

 

まず直下率がどうか?ではなく、間取りを考える際は、構造計画(架構計画)も

同時におこない、最終的に直下率を満足させるという流れになる。

 

家づくりにおいて、構造はとても大事な部分です。

少しでも地震に負けない住宅が増えればよいなと思います。

 

 

耐震等級については、

耐震等級3とは?」をご参照ください。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です